Director's note 第3回『Puzzle』

ディレクターの視点から曲を振り返ってみるディレクターズノート。曲の成り立ちから制作時の裏話、その他諸々を思いつくまま書いていきます。

第3回ではニューシングル『きみと!』に収録されている『Puzzle』という曲を紹介します。今回も秘蔵音源をたくさん用意しました。
(※音源は練習段階、下手したら初見状態のものもありますのでお聞き苦しい点はご了承ください)


『Puzzle』も『きみと!』同様、結構古い曲です。最初の録音は2010年の11月19日なので『きみと!』よりも約1ヶ月前です。ベースとなったのはHidessyが考えた4小節の循環コード、これはA部分に採用され、それを元に僕がBとサビのコードを付け足してプロットが完成しました。サビのクリシェ等、完成版でも残っている部分もあるのですが、細かいコード進行やキーなどはこの後どんどん変更されていきます。

ちなみにこの当時の仮タイトルは「stardust」で、キーはEb、歌詞はおろかメロもまだありませんでした。このテイクのドラムって、もしかしてHidessyかな?





Texte alternatif



次の録音は11月30日です。早速大幅な変更が加えられます。メロはまだないのですが、キーがGに上げられます。さらにB部分にコードが1つ加わり1小節増えました。
そしてリズムは跳ねることにしました。この録音では当時のドラマーAkio君が叩いてい るのですが、リズムがよれよれなのには理由があります。実は彼、とある事情により手を骨折してしまい片手で叩いているのです。にも関わらず、もっとスネアを細かくしてとか容赦なく注文出すところがARWらしいw
このことから仮タイトルは「Stardust骨折」になりました。





Texte alternatif



2011年1月31日の録音では当時のvo、Akieちゃんによる仮メロと仮歌詞がつきました。しかし、第1回でも書きましたがこの後Akieちゃんが寿脱退したため全面的に見直すこととなりました。





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7月18日の録音では僕が新たに作り直したメロを新vo、Hacchiがラララで歌っています。コード進行や構成はそのままですが、仮タイトルはついに「骨折」となり、「stardust」が消えます。





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7月28日にはストリングスによるイントロがつきました。そしてA部分のキーがCに変更されます。それに伴い、Aの最後からB頭にかけてのコードも変更され、現在の形となりました。Hacchiによる詞も少しだけ出来てきます。しかし、未だ正式タイトルが決まらず迷走状態。迷走の原因となった(?)Akio君への宿題として、この曲のタイトルを考えてもらうことにしました。





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8月30日にはギターソロも入り、曲の構成が完成します。歌詞もほぼ完成に近い状態となりました。





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11月15日、大体形になってきたのでいよいよレコーディング開始。ベーシックオケが入ったところで仮歌を入れてみました。もっとも、この時のテイクで残ってるパートってあったかな?ほぼ全て録音し直しになったような…。
そしてついに、Akio君が考えたタイトルが正式採用され「Puzzle」と呼ばれるようになりました。





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1stCDのレコーディング等でしばらく間があきます。次は年が明けて2012年4月11日。大きな変更はありません。久しぶりの合わせでしたが一度レコーディングしたこともあって、ちょっとこなれた感じ?





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その後、数回のリハーサルを繰り返していくうちに、2A部分にブレーク、さらにその後半音転調とアレンジが練られていきます。曲が5分強と長めのため、いろいろ仕掛けたくなっちゃうんですよね。にしても、仕掛けどころが2Aってアリなのかなあ?w

6月13日のリハーサル、微妙に尺が伸びてHacchiが歌い出しを間違えてます。そこの歌詞が「間違えながら」ってところがまるで狙ったみたいだよ。





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夏場のライブをいくつかこなした後、本格的にレコーディングに突入!といきたかったのですが、僕が忙しかったこともあり難航します。

結局完成したのは翌年になってからです。3月に東京の三軒茶屋で行われたライブ(その時の様子はこちら)ではまだ全然出来てなかったもんなあw



さて、この曲において詞はとても重要な要素の一つです。僕がHacchiに出した詞の注文は、あまりネガティブになりすぎないこと。曲の雰囲気から言って『きみと!』みたいな元気の良さはいらないけれど、あまりにしっとりし過ぎるのも問題だなあ、と。そこでHacchiが目指したのが「微ポジ」です。
はじめのうちはネガティブ志向だった主人公が、1コーラス目の最後にしてようやく前を向き始め、だんだんポジティブ方向へ自分を持っていこうとしている感じがよく出ていると思いませんか?是非歌詞カードをご覧になってください。
Hacchi曰く、仮タイトル時代の「骨折」もキーワードとして取り入れようとしていたらしいです。その名残が「バラバラになったピース」あたりに見られます。粉砕骨折か?

ところで、CDに入っている完成バージョンではストリングスから始まります。でも音が鳴り始める前、よーく聞いてみてください。弦プレイヤーの椅子がきしむ音とか譜面をめくる音なんかが入っています。普通ならカットされるべきノイズではありますが、曲が始まる前の緊張感を演出するために敢えて入れてあります。その後、ストリングスの音がサラウンドに広がる演出もあり、これらは派手な1曲目『きみと!』から、少し落ち着いた『Puzzle』までを自然に繋ぐために配慮したものです。

『きみと!』と比べると全体的にシンプルな編成となっている『Puzzle』ではありますが、隠し味として入れてあるパーカッションがあります。気づいてもらえたでしょうか?鉛筆の音です。この音、もう何年前だろ?僕が音ネタとして録音しておいた物を、満を持して使用しました。シェイカーとかカバサあたりの役割なのですが、地味にいい味が出てます。





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ってな感じで完成した『Puzzle』、タイトル曲よりこっちが好きって言ってくれる方もいたりして嬉しい限り。長い時間をかけて熟成させていった甲斐があります。





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Posted by dj | Category: Miscellany | 0 comments | 0 trackback

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